自分に合った薬の使い方と脱ステロイド・脱プロトピックに至るまで
今日はアトピーのお話。
私は小学生低学年の時にアトピー性皮膚炎と診断されてから20年近くこの病気と付き合ってきました。
一言でアトピーと言っても症状は本当に様々。
見た目でなんとなく軽い・重いの判断がつく部分もあるけど、見た目の問題に関わらず本人にしかわからない辛さや苦労が本当に多い病気です。
皮膚科で処方される薬も様々ですが、ステロイドやプロトピック(タクロムリス)の軟膏を使用しながら痒み止めの飲み薬を飲んで、長い期間をかけて治療を続けているっていう方がほとんどだと思います。
アトピー患者の皆さんは何度も経験されていると思いますが、「ステロイド軟膏を使用して良くなった!」と思って喜んでいたら数日後にまたひどくなったり、元々よりもさらにひどくなってるような気もして。それでまたステロイドを塗って、良くなって、また戻って・・・。
そんなリバウンドの繰り返しを行なっているうちに段々とうんざりしたりしてくるんですよね・・。
ある時、社会人になりストレスも抱えるようになっていた僕は「いつまでこの生活続ければいいんだろう」なんて、本当にうんざりしていたときに突然思い立って「脱ステロイド」「脱プロトピック」をしようと決心をしました。
自分に合った薬との向き合い方を見つけるまでにかなり時間はかかりましたが、色々試したり、病院を何軒も通い色んな皮膚科医と相談しながらも顔に使っていたステロイドを止めることができ、体も非常に弱い最小限に軟膏だけの使用に抑えることが出来るようになりました。
そんな僕の経験が同じような悩みを持つ方の参考に少しでもなればと思い、簡単ではありますが紹介をしてみようと思います。
目次
プロトピックの副作用
結論から言うと現時点でも完治した訳ではないですが、自分にあった薬の使い方や使用する周期を見つけ、最小限の薬の使用と最低限のステロイドの使用でリバウンドを起こすことなく、うまくコントロールが出来るようになりました。
まず、僕が使用していた薬について簡単にお話してみます。
アトピーの症状ですが、僕の場合は主に顔に現れることがほとんどで、顔面にはプロトピックという種類の軟膏をずっと使用してきました。
体もかさつきや定期的に見られており、いろいろなステロイドを試しましたが、最終的には「ユニバーサルクリーム」という比較的軽めの白いクリームを2日おきほどで塗布することで十分対応できるレベルでした。
プロトピックは顔用の軟膏ですが、個人差はあれどかなりの頻度で塗布箇所に火照り感が生まれ、熱があるような感覚になるなど、比較的副作用が強い薬です。
それでも僕の場合にとっては比較的我慢ができるレベルで(性格に言えばただ慣れただけだったのかも)、1日おきに塗り続けることで比較的皮膚がきれいば状態が維持できていました。
しかし、突然顔が腫れぼったく荒れたりすることもあり、大事な仕事や面接の際に予期せぬリバウンドに遭い、本当に辛い思いをしました。
旅行の際にも薬を塗って寝なければいけないのもストレスでした。
脱ステロイドのきっかけは「酒さ様皮膚炎」(しゅさようひふえん)
プロトピックを使い続け、想定外のことが起きたのが今からちょうど2年前。
プロトピックを使用し始めてから10年以上経ってからのことです。
突然顔中に白ニキビのようなできものが出来はじめ、その数は少しずつ増えていき、周囲から見ても「どうしたの?」と気になるレベルになっていきました。我慢できないほどではなかった気がしますが、なんとなくかゆみがあり、市販のニキビ薬などを使用しましたがなかなか治らないのです。
ニキビは出来ていても、その部位にはアトピーの症状も現れてくるため、「ユニバーサルクリーム」という名前の比較的軽いストロイドを含んだ軟膏も併せて使用していました。このことでもちろん何軒の皮膚科にかかりましたが、あくまでニキビが出来ているということしか言われず、ニキビに効く軟膏や飲み薬を処方されるものの、1ヶ月ほど続けても全く治る気配がありません。
私は医者では無いので医学的な根拠等はわかりませんが、以前より「アトピー持ちの人はニキビになりにくい」という情報をよく聞いたことがありました。
実際僕もニキビが出来やすい10代〜の頃からニキビはほとんどできた覚えがなく、皮膚がオイリーになるよりもカサカサに乾燥して、象みたいな皮膚になったり・・乾燥肌に悩むことの方が圧倒的に多かった為、このときはどうしてこんなニキビが出来てしまったのかただただ不思議でした。
そんなとき、知り合いから"皮膚科医も通う"というちょっと有名な皮膚科があることを聞いてダメもとで受診をしてみることに。どうせまたニキビの薬を出されて終わるものだと思っていましたが、そのときに「酒さ様皮膚炎ですね」と初めてちゃんとした診断が出たのです。
聞いたことのない名称の病気で驚きましたが、その医師曰く長年プロトピックやステロイド軟膏を使い続けてきたアトピー患者に起きることがある皮膚疾患なのだと説明を受けました。
たしかにその条件にも僕も該当するため、すっと納得がいき、この医師の説明をよく聞いてみようと思えたのです。余談ですが、幸いその医師は患者の目をしっかりと見て、患者の話をしっかりと聞いてくれる先生だったのでそれだけでとても救われた気持ちになったのを覚えています。皮膚科はどうしても混みがちであるためか、何時間も待合室で待っていたのに、受信自体は1分ほどでさっと追い払われる様に終わってしまい、ろくに患者の話を聞いてくれない医者が多い様に思います・・・。
「酒さ様皮膚炎」の治療方法の鍵は「脱ステロイド」と「サトウザルべ」
改めてお伝えしますが、私は医者ではない為、あくまで私の経験をお伝えするだけなので、参考になるかどうかはわかりません。
私の症状と似ている方であっても、同じ疾患であるとは限らない為、治療方法に関しては医療機関にてご相談いただければと思います。
「酒さ様皮膚炎」の治療方法に関して、私の場合は一度ステロイドの使用を止める様に医師から指示がありました。まさに「脱ステロイド」です。いつかはステロイドに頼らず、一時的じゃなくて根本から治療したいという想いはあった為、これがいい機会なのかもしれないと思いました。
脱ステロイドを試みた方の体験談とかを聞いたことがありますが、いわゆるリバウンドにより、それまでの軟膏塗布周期が崩れることで一気にアトピー患部の状態がわるくなるようなイメージがあったため、「酒さ様皮膚炎」は治したいけれどステロイドをいきなり止めるという行為には正直かなり不安もあります。
そこでその不安を伝えた上でステロイドの代わりに処方されたのが「サトウザルべ」という名前の亜鉛華軟膏というものです。
亜鉛華軟膏は「酸化亜鉛」を含んだ軟膏のことらしく、患部を保護したり、炎症を和らげる目的で使用するものだそうです。処方時に医師からも説明がありましたが、ステロイドと違って優しく皮膚を保護する程度のものであり、医師の説明を受けてある意味これで誤魔化しつつ様子をみていくといったニュアンスで受け取った記憶があります。
ちなみにこの亜鉛華軟膏は水っ気が無く、マッドな質感なのでヒルドイドなどの保湿クリームと違って伸びにくく、打ったところは「真っ白」になります。(時間が経てば薄くはなっていきますが)
脱ステロイドを実行し、「酒さ様皮膚炎」が治っていくには1〜2ヶ月ほどはかかることとのことでした。社会人の私にはもちろん仕事があるため、患部の炎症や痒みなどで仕事に影響が出たり、プロトピックを使用しないことで顔が赤く腫れ上がったりしないかとても心配でした。
ですが、痒み止めの内服はこれまで通りでOKだった為、これまでずっと飲み続けている「セチリジン」を継続することでかゆみ問題はクリア。
顔や体の赤み等はサトウザルべを使用することで思ったよりひどくなることは無く、意外と辛い思いをすることはありませんでした。
気づけば少しずつですが、顔のニキビは減っていき、1〜2ヶ月ほどでこれまでのアトピー症状はほとんど無くなり、むしろステロイドを使用する前より綺麗になって、アトピーとはわからないレベルまで改善することができました。
こんなにスムーズにいくとは思っておらず、今回はこの「酒さ様皮膚炎」をきっかけにした「脱ステロイド」「脱プロトピック」になりましたがもっと早くこの医師と出会っていれば、もっと楽に過ごせた時期もあったのかなと思ってしまいます。
ちなみにステロイドやプロトピックをやめてからは顔に赤みや今回のようなニキビができることはなくなりました。
念の為、いまも寝る前にサトウザルべを軽く塗り続けていますが、私の場合は塗らなくても状態が悪化することは無いようで、ヒルドイドなどでの保湿だけでも問題ない様です。ステロイドではない為、リバウンドするようなことも今のところ内容に思います。
同じ様にステロイドやプロトピックを使い続けて新たに皮膚トラブルが出来てしまった方や、脱ステロイド、脱プロトピックを考えている方の参考に少しでもなっていれば幸いです。
アトピーはただ痒いだけじゃない。「痒み」は集中力の低下やすストレスの原因に。
最後に思い出したことを少々。
私の場合は小学生の頃はそれこそ症状がひどく、とにかく「かゆい」の一言に尽きる状態であった記憶があります。
かいてもかいても痒いもんだからそりゃもう皮膚はボロボロになるし、見た目もひどくなって血が出て腕や首や足が傷だらけになる。
書いた箇所は色素沈着を起こして黒っぽくなってくるし、乾燥してカサカサになったところは皮膚の破片がぽろぽろとこぼれ落ちる・・。
そんな、今思うと本当に可哀想な症状が出まくりでした。
「かゆみ」の症状ってただの掻痒感だけに止まらないのが厄介で、「かゆみ」のせいで集中力が無くなるから常にむずむずしていて落ち着かないし、じっとしているのが大変。
いろんな弊害が派生してくるから本当に厄介なんですよね。
中学生になってからはそれまで酷かった四肢の関節以外にも、顔にも症状が出るようになってきて・・・。
顔中がかゆくて、でも顔を傷だらけにはしたくなくて・・・。
なんとか痒みを抑えようと考えた末に、顔を掻くかわりに軽く叩くようになってしまい。
それがどんどんエスカレートすると軽く叩くだけじゃ納得いかないようになってしまい、力を入れた叩くようになってしまい、気づいたら目の周りが真っ黒になってしまい、軽く殴られたような顔になっていました。
徐々にそうなっていったので自分ではその異変に全く苦づくことができず、今思えば本当にひどい顔面で過ごしていたよなってすごく思います。